2020.12.24

伝説の「水の波紋95」を呼び覚ます。ワタリウム美術館で「まちへ出よう展」開催へ

ワタリウム美術館で、2021年2月より「まちへ出よう展〜それは水の波紋から始まった〜」が開催。本展は1995年に行われた「水の波紋95」を呼び覚ますものだ。

ホワン・ヨンピン  竹帚(たけぼうき) 1995
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 1995年に屋外40ヶ所で展開された「水の波紋95」 展を再び呼び覚まし、さらに現代のアーティストたちが集う展覧会「まちへ出よう展〜それは水の波紋から始まった〜」がワタリウム美術館で開催される。会期は2021年2月7日〜6月6日。

「水の波紋95」 展とは、当時次々と画期的な展覧会を発信し注目を集めていたキュレーター、ヤン・フート (1936〜2014)とワタリウム美術館が協力して行った展覧会。青山や原宿の屋外40ヶ所に現代美術の作品を設置し、30日間という会期で人々に鮮烈な記憶を残した。タイトルにある「水の波紋」とは、「水面に落ちた一粒の水滴が波紋となりゆっくりと広がっていくように、街に設置したアート作品が多くの人たちの心に届くことを願って付けられた」ものだという。

 そしてこの展覧会から30年以上経ち、コロナ禍で世界が大きく変わるいま開催される「まちへ出よう展」は、「水の波紋95」展の源流となった作品をたどるというもの。参加作家はロイデン・ラビノヴィッチ、フランツ・ウエスト、蔡國強、ホワン・ヨンピン、デイヴィッド・ハモンズ、ジェイソン・ローズ、フェデリコ・フージ、ミロスワフ・バウカ、松下徹、ソル・ルウィット、Chim↑Pom、キース・へリング、ヨーゼフ・ボイス、DIEGO、カールステン・ニコライ、カールステン・ニコライ、ヴォルフガング・ライプ。

キース・ヘリング 壁画(部分) 1983

 本展では、蔡國強 《「水の波紋95」のためのプロジェクトのドローイング(橋)》やデイヴッド・ハモンズ 《思いがけないシンフォニーⅡ》、フェデリコ・フージ 《大野の宇宙船》、ホワン・ヨンピン《竹帚(たけぼうき)》など、95年当時に展示されたものをあらためて展示。

 さらにはChim↑Pom、DIEGO、松下徹といった2021年のアーティストたちも集結し、様々な方法や時代精神を作品に託し、それらすべてが融合し、次なる波紋へと広がって行くことを目指すという。

ヴォルフガング・ライプ タンポポの花粉 1990

 なお4月28日からは、国際展「水の波紋2021」展の開催も決定。青山地区の屋外を舞台に、JR、アピチャッポン・ウィーラセタクン+坂本龍一、ビル・ウッドロー、梅津庸一ほかが作品を展開するという。こちらも注目したい。