ワタリウム美術館のミュージアムショップとして知られる「オン・サンデーズ」。その一部が、10月31日に「ライトシード・ギャラリー」として生まれ変わる。
ライトシード・ギャラリーは、オン・サンデーズの地下1階に誕生。階段右側の細長いスペースでは、国内外の若手アーティストをはじめ、音楽や建築、デザインなど多様なジャンルにおいて興味深い活動を繰り広げている作家にフォーカスし企画展示、作品の販売を行うという。
また階段を下りた左側の壁面は「ヴューイング・ウォール」として、アンディ・ウォーホル、ヨーゼフ・ボイスからキース・ヘリングまで、ワタリウム美術館のコレクション作品から選りすぐりの現代美術のマスターピースを展示する。
「ライトシード・ギャラリー」という名称は、1991年にワタリウム美術館で初めて行われた現代美術展「ライトシード」からとられた。同展はスイスのキュレーター、ハラルド・ゼーマンを招聘し、サイ・トゥオンブリー、ヴォルフガング・ライプ、ミシェル・ヴェルジューの3名の作品を展示したもので、ハラルド・ゼーマンはワタリウム美術館に対して「精神のバミューダ・トライアングルであれ」という言葉を示したという。このギャラリー名は、ワタリウム美術館にいまも根付くその精神を受け継いだものだ。
第1回展示となるのは、「非接触の手触り ー 名もなき実昌の萌え燃え絵画展_:(´ཀ`」 ∠):」(2020年11月1日〜2021年1月11日)だ。名もなき実昌は1994年生まれ。2013年よりTwitterで取得したアカウント名で活動し、インターネットにおける人格や画像と、アニメキャラクターの類似性をテーマに作品を制作。ペインティングやドローイングを中心に、画像的に解体されたキャラクターが「幽霊的」に偏在するイメージを描き続けている。平成最後の年にオン・サンデーズで関東初の個展を行なっており、本展は名もなき実昌の最新作による令和初個展となる。