珠玉のコレクションを紹介。「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」(サントリー美術館)
東京・六本木のサントリー美術館では、リニューアル・オープン記念展の第3弾として「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」が開幕。会期は2021年2月28日まで。
本展では同館のコレクションから、江戸時代から1900年のパリ万国博覧会までの約300年間に生み出された品々を厳選。国や時代、素材を越えて文化が結びつくことで生まれた陶磁器、織物、染色、ガラス、浮世絵など多様な名品を紹介する。
ヨーロッパに輸出され多くの人を魅了した古伊万里や、将軍家への献上のため高い品質が目指された高級磁器・鍋島、15~19世紀に繁栄した琉球王国でつくられた紅型などを展示する本展。アール・ヌーヴォーの代表的な作家エミール・ガレによる、日本美術の意匠を取り入れた作品も見ることができる。東西の文化が融合して生まれた「美」をこの機会に堪能したい。
会期:2020年12月16日~2021年2月28日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4(東京ミッドタウン ガレリア3F)
電話番号:03-3479-8600
開館時間:10:00~18:00(金土、2021年1月10日、2月10日、2月22日 〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:火(2021年2月23日は開館)、年末年始(12月28日~2021年1月1日)
料金:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下無料
音を手がかりに別府を回遊する。「梅田哲也 イン 別府」
2016年から毎年大分県別府市で開催されてきた芸術祭「in BEPPU」。5回目となる今年は、梅田哲也が体験型のプロジェクト「O滞」(ゼロタイ)を展開している。会期は2021年3月14日まで。
本プロジェクトの中心となるのは、ラジオから流れる音声を手がかりに町を回遊する体験型の作品。鑑賞者は、市内の建物から山の火口まで、ラジオを受信できるポイントを探りながら散策することで、それぞれの方法で別府という町の風景や歴史に触れることができる。
また市内の「ブルーバード映画館」では、作品体験の集大成といえる映像作品を上映。森山未來と満島ひかりが別府の町を回遊しながら、その歴史や独特な地形を語る。実際にかたちを持たない音がもたらす広がりは、目に見えない脅威をつねに意識せざるをえない現在の状況に、新たな示唆をもたらすだろう。
会期:2020年12月12日~2021年3月14日
会場:別府市内各所
電話番号:0977-22-3560
休場日:火水木(祝日を除く)、12月29日〜2021年1月7日
料金:無料(完全予約制)
モダニズムの視点からみる街や建物。「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」(東京オペラシティアートギャラリー)
1940年代にアメリカでモダンデザインを学び、多彩な題材をモダニズムの視点でとらえた写真家・石元泰博。その生誕100年を記念する「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」が、東京オペラシティアートギャラリーで12月20日に終了する。
本展では、シカゴで撮影された初期作品から、その後初来日して以来撮り続けた東京の都市写真、そして代表作である桂離宮をはじめとする建築写真、ポートレイトなど、多彩な対象をとらえた作品を全16章に分けて紹介。東京の写真には、高度経済成長期、大学紛争、バブル経済など、時代の変化が見て取れる。
とくに注目したいのは、大阪の国立国際美術館が所蔵する、東寺の曼荼羅を写した大型プリント作品118点。日本の建築や民俗芸能も取材した石元の視線によって、そのディティールとともに、造形としての曼荼羅が立ち上がってくる様は圧巻だ。
会期:2020年10月10日〜12月20日
会場:東京オペラシティアートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:11:00〜19:00 ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 1200円 / 大学・高校生 800円 / 中学生以下無料