EXHIBITIONS

生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代

石元泰博 桂離宮 中門の乗越石 1953、54 高知県立美術館蔵 ©︎ 高知県、石元泰博フォトセンター

石元泰博 桂離宮 中書院東の庭から中書院、楽器の間、新御殿を望む 1953、54 高知県立美術館蔵 ©︎ 高知県、石元泰博フォトセンター

石元泰博 シカゴ建築 860-880レイク・ショア・ドライブ・アパートメント(ミース・ファン・デル・ローエ) 1966 高知県立美術館蔵 ©︎ 高知県、石元泰博フォトセンター

石元泰博 東京都新都庁舎計画(磯崎新) 1991頃 高知県立美術館蔵 ©︎ 高知県、石元泰博フォトセンター

石元泰博 シカゴ 雪と車 1948-52 高知県立美術館蔵 ©︎ 高知県、石元泰博フォトセンター

石元泰博 牧野富太郎記念館(内藤廣) 1999 高知県立美術館蔵 ©︎ 高知県、石元泰博フォトセンター

石元泰博 東京 街 1953-57 高知県立美術館蔵 ©︎ 高知県、石元泰博フォトセンター

石元泰博 御陣乗太鼓(輪島) 1962-64 高知県立美術館蔵 ©︎ 高知県、石元泰博フォトセンター

 写真家・石元泰博の生誕100年を記念した展覧会「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」が開催される。

 石元は1921年アメリカ・サンフランシスコ生まれ。シカゴのニュー・バウハウス(インスティテュート・オブ・デザイン)で学び、対象の構造的、空間的特性を鋭くとらえた作品によって、写真界にとどまらず、建築、デザイン、美術の分野でも活躍し、戦後日本の芸術界に大きなインパクトを与えた。

 バウハウスの流れを汲む近代的な視点から日本の伝統建築を撮影した「桂離宮」シリーズ、丹下健三、磯崎新、内藤廣ら同時代の建築家の作品を撮った作品、そしてライフワークとなったシカゴと東京の人と街を撮影した作品など、対象の本質と写真の可能性への飽くなき探究心から生まれた作品群は、国内外で高く評価されている。

 2021年に石元の生誕100年を迎えることを祝し、東京都写真美術館、高知県立美術館、東京オペラシティ アートギャラリーの3館の共同企画で、石元の足跡を過去最大規模で回顧する展覧会シリーズを開催。東京オペラシティ アートギャラリーでは「伝統と近代」を切り口として、作家活動の前半に軸足を置き、多様な被写体に向けられた石元のまなざしに注目する。

 同時期開催となる東京都写真美術館では、「生命体としての都市」をテーマに独自の都市観にフォーカスし、活動中期から晩年に至る作品を選りすぐって展示。高知県立美術館では、2021年1~3月に集大成となる回顧展の開催を予定している。