大規模回顧展が2館で同時開催。「生誕100年 石元泰博写真展 生命体としての都市」(東京都写真美術館)
生誕100年を迎える写真家・石元泰博の過去最大規模となる回顧展「生誕100年 石元泰博写真展 生命体としての都市」が、11月23日まで東京都写真美術館で開催されている。
本展では、シカゴと東京を往還することで構築された石元独自の都市観にフォーカスし、ミッドキャリアから晩年にいたる作品に注目。都市と人間のあり方を問いかけるシカゴや東京のシリーズ、桂離宮や伊勢神宮から日本の伝統建築にモダニズムを見出した建築写真群、半世紀あまりをともに歩んだ多重露光によるカラー作品のシリーズ、そして晩年に取り組んだ「刻」や「シブヤ、シブヤ」など166点の作品を紹介している。
なお東京都写真美術館のほか、東京オペラシティ アートギャラリーでは石元の回顧展「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」(〜12月20日)が同時開催中。また2021年1月には、写真家が10代を過ごした高知の高知県立美術館でも回顧展の開催が予定されている。
会期:2020年9月29日~11月23日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00(木金の夜間開館は休止) ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 700円 / 学生 560円 / 中学・高校生・65歳以上 350円
戦後日本のアンダーグラウンド芸術に注目。「JP POP UNDERGROUND」(心斎橋PARCO)
戦後日本のアンダーグラウンド芸術の文脈を読み解き、NANZUKAギャラリーがキュレーションするグループ展「JP POP UNDERGROUND」が、11月20日に大阪・心斎橋PARCOのイベントホールでスタートした。
昨年ロサンゼルスとニューヨークのジェフリー・ダイチ・ギャラリーでは「TOKYO POP UNDERGROUND」展が行われ、そして今年7月には渋谷パルコ4階のPARCO MUSEUM TOKYOで「GLOBAL POP UNDERGROUND」展が開催。今回の展覧会は、NANZUKAのキュレーションによるこれら一連の企画展のコンセプトを踏襲した最終章となる。
戦後の廃墟から復興を果たし、幾度の自然災害に見舞われながらも、その逆境を乗り越えて未来を目指す日本という国に焦点を当てた本展。これまで日本の美術界であまり高い評価を受けてこなかったが、昨今のアートシーンのグローバル化によってふたたび評価が高まっている田名網敬一、空山基、山口はるみ、佐伯俊男、鬼海弘雄を含む、16人の日本人アーティストを紹介している。
会期:2020年11月20日〜12月6日
会場:心斎橋PARCO EVENT HALL(心斎橋PARCO 14F)
住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-8-3
電話番号:06-7711-7409
開館時間:10:00〜20:00 ※入場は閉場の30分前まで ※最終日は18時閉場
休館日:会期中無休
料金:一般 500円 / 学生 400円 / 小学生以下無料
戦後フランスで一世を風靡した画家。「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」(Bunkamura ザ・ミュージアム)
20世紀後半のフランスを代表する具象画家ベルナール・ビュフェ(1928‐99)。その画業をたどる展覧会「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」が、11月21日より東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される。
ビュフェは、第二次世界大戦直後の不安と虚無感を原点にした黒く鋭い描線による描写で、サルトルの実存主義やカミュの不条理の思想と呼応し、戦後のフランスで一世を風靡した。抽象絵画が主流となっていくなか、批判されながらも独自の画風を貫いたいっぽうで、近年では、パリ市立近代美術館で本格的な回顧展が開かれるなど再評価が高まっている。
本展では、世界一のコレクションを誇る静岡県のベルナール・ビュフェ美術館が所蔵する油彩を中心とした約80点を展示。疫病の不安や多くの自然災害に翻弄されるいまと似た時代を生き抜いたビュフェの作品は、現代を生きる私たちに新たな示唆を与えることだろう。
会期:2020年11月21日~2021年1月24日
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1F
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00(最終入場は17:30、夜間開館なし)
休館日:1月1日
料金:一般 1600円 / 高・大生 1000円 / 小・中学生 700円 ※未就学児は無料
※1月9日以降の土日祝日に限り【オンラインによる入場日時予約】が必要。詳細は公式ホームページを参照