11月20日に大阪・心斎橋にオープンする「心斎橋PARCO」で、NANZUKAギャラリーがキュレーションするグループ展「JP POP UNDERGROUND」が開催される。
本展は、昨年ロサンゼルスとニューヨークのジェフリー・ダイチ・ギャラリーで開催された「TOKYO POP UNDERGROUND」展、そして今年7月に渋谷パルコ4階のPARCO MUSEUM TOKYOで開催された「GLOBAL POP UNDERGROUND」展のコンセプトを踏襲した、NANZUKAのキュレーションによる一連の企画展の最終章となる。
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アメリカの2都市を巡回した「TOKYO POP UNDERGROUND」展では、NANZUKAは日本固有の歴史的な背景を引用しながら、「芸術のための芸術」という枠に入らない日本人アーティストの文脈を紐解いた。NANZUKAの代表・南塚真史によると、明治時代までの日本では、芸術の類と考えられていたものはほとんど実用品であり、大衆文化と融合しながらとともに発展したという。
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例えば、書や屏風、襖絵、茶道具やネゴロなどの工芸品、キーホルダーとしての根付け、ポスターやブロマイドとしての浮世絵、そして見世物=興行のためにつくられた生人形と呼ばれるリアルな細工物などの「創作物」は、大衆的であるために「ポップ」なものであり、アカデミックなアートから見て、「アンダーグラウンド」なものとも言える。
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また渋谷パルコでの「GLOBAL POP UNDERGROUND」展では、NANZUKAは性、パンク、サイバー、SF、マンガなど、元来「高尚」に対する「低俗」とみなされてきた領域を巻き込み、予定されたシナリオや守られた価値、歪められて利用されている市民感情などに対する挑戦の軌跡としてのアンダーグラウンドの文脈を解説した。
そして今回の「JP POP UNDERGROUND」展では、戦後の廃墟から復興を果たし、幾度の自然災害に見舞われながらも、その逆境を乗り越えて未来を目指す日本という国を読み解く。これまで日本の美術界であまり高い評価を受けてこなかったが、昨今のアートシーンのグローバル化によってふたたび評価が高まっている田名網敬一、空山基、山口はるみ、佐伯俊男、鬼海弘雄をはじめとする16人の日本人アーティストを紹介する。
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