約半年間Twitter上で行われた「往復朗読」を振り返る。青柳菜摘+佐藤朋子による展覧会が開催中

今年4月20日から、Twitter上で毎日「往復朗読」を行っているアーティストの青柳菜摘と佐藤朋子。この実践を問い直す展覧会が、東京・池袋の「コ本や honkbooks」で開催中だ。会期は12月6日まで。

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 今年4月20日から毎日、Twitter上で「往復朗読」を行っているアーティストの青柳菜摘と佐藤朋子。この実践の意味をあらためて問い直す展覧会「TWO PRIVATE ROOMS – 往復朗読」が、東京・池袋の「コ本や honkbooks」内のオープンスペースthecaで開催されている。会期は12月6日まで。

 「往復朗読」は青柳菜摘、清水玄、和田信太郎が主宰する「コ本や」と、佐藤朋子によるパフォーマンス・シリーズの共同企画「サークル・ナレーティング」の一環として行われたもの。ふたりのアーティストが日々物語を選んで読み語るアートプロジェクトとして、その1回限りの出来事を開始から途切れることなくTwitter上でPeriscopeを通してライブ配信をしてきた。

青柳菜摘 2020年5月21日(木)朗読映像より

 何を読むのかはその日次第で、まるで交換日記やカラオケの順番待ちにように応答しあうことで、朗読に起伏が与えられていく。静かな即興性は、コロナ禍で動く・集うことのできないなか、言葉の特性のひとつである「ことば遊び」に原点回帰し、ともに離れたところから「交える」ことの可能性を広げる実践だと言える。

 本展は、「往復朗読」をSNS上での公開制作と位置づけて行われるもの。埋もれていくタイムラインのなかから「即興の痕跡」を取り出し、新たに制作した映像作品を通して、その行為の意味を問い直す。

 なお、映像作品は上映に1週間を要するため、3週間の会期のうち、曜日ごとに分けて上映予定。12月5日には藪前知子(キュレーター)をゲストに迎えたトークイベント、最終日には詩人のカニエ・ナハをゲストに迎えて「往復朗読」の最終回のスペシャルイベントも予定されている。

佐藤朋子 2020年7月1日(水)朗読映像より

編集部

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