ハンス・ウェグナー(ヴィーイナ)や、アルネ・ヤコブセンといった、デザイン史に名を刻む多くの巨匠を輩出してきたデンマーク。デンマーク・デザイン博物館の学術協力を得て、デンマークのデザインの歴史をひも解きながらその魅力に触れる展覧会が、神戸ファッション美術館で開催される。会期は9月19日~11月8日。
温かく、人間にやさしいと評されるデンマーク・デザインの数々だが、その背景には、脈々と受け継がれてきたデンマークという国の伝統がある。ヨーロッパ諸国の多くが産業の近代化を進めるなかでも、デンマークは手仕事に重きを置き、職人技に裏打ちされた製品生産を重視してきた。同展は、大量生産・消費の現代において、デンマークが受け継いできた価値観を改めて見直す契機にもなる。
展示されるのは、著名なロイヤルコペンハーゲンの磁器をはじめ、デンマーク・デザインの黄金期の名作家具、さらに現代の製品など約200点。「国際的評価を得た最初のデンマーク・デザイン」「古典主義から機能主義へ」「オーガニック・モダニズム ―デンマーク・デザインの国際化―」「ポストモダニズムと現代のデンマーク・デザイン」の4章構成となっており、デンマーク・デザイン史をひも解きながら、その魅力をたどることができる展覧会となっている。