5つの「ソース」から編まれる芸術祭。「ヨコハマトリエンナーレ2020」(横浜美術館、プロット48ほか)
国内外から67組のアーティストが参加する「ヨコハマトリエンナーレ2020」が7月17日に開幕。今回は「AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」をテーマとして、横浜美術館とプロット48を中心に作品が展示される。
今回のアーティスティック・ディレクターは、3名のインド人アーティスト集団「ラクス・メディア・コレクティヴ」。コンセプトを深めるための「ソース」と呼ばれる5つのテキストからトリエンナーレをつくりあげた。
外観のイヴァナ・フランケ《予期せぬ共鳴》(2020)、エントランスのニック・ケイヴによる《回転する森》(2016/2020)などダイナミックな作品が出迎える横浜美術館では、竹村京、飯山由貴、陳哲(チェン・ズ)、ローザ・バルバ、エヴァ・ファブレガス、青野文昭などが作品を展示。プロット48では、エレナ・ノックスのインスタレーションをはじめ、性を様々な観点で切り取った作品や、参加者同士の協力が不可欠な飯川雄大の作品(要事前予約)などを見ることができる。
新型コロナウイルスの影響を受けながら開催の準備を進めてきた今回のヨコトリ。新たな時代にアートはいかなることが実現でき、その先に何を見据えるのかを考えるきっかけとなることだろう。
会期:2020年7月17日〜10月11日
会場:横浜美術館、プロット48、日本郵船歴史博物館
開場時間:10:00〜18:00(10月2、3、8、9、10日 〜21:00、11日 〜20:00)
休場日:木(7月23日、8月13日、10月8日は開館)
料金:一般 2000円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円
※横浜美術館への入場は日時指定が必要。プロット48は横浜美術館と同日に限り自由に入場が可能
バウハウスの教育にフォーカス。「開校100年 きたれ、バウハウス ―造形教育の基礎―」(東京ステーションギャラリー)
昨年のバウハウス開校100周年を記念し、全国を巡回した「きたれ、バウハウス」展。その最終回が東京ステーションギャラリーで7月17日に開幕した。
「バウハウス」は1919年にドイツの古都ヴァイマールに開校し、ナチスの弾圧を受け1933年に閉鎖した造形芸術学校。本展では、とくにその造形の基礎教育にフォーカスし、約300点におよぶ膨大な資料や作品群で、わずか14年という短い活動期間を振り返る。
第2章では、ヴァシリー・カンディンスキーやパウル・クレーら教師ごとに、基礎教育の授業の様子を展覧。続く第3章では、マルセル・ブロイヤーによる鋼管椅子をはじめ、工房教育とその成果を紹介する。そのほかにもバウハウスを象徴するプロダクトの数々や、日本人留学生の活動などで、現代のデザインに大きな影響を与えたバウハウスの教育の全貌を知ることができる。
会期:2020年7月17日~9月6日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
電話番号:03-3212-2485
開館時間:10:00~18:00(金~20:00)※入館は閉館30分前まで
休館日:月(8月10日、8月31日は開館)
料金:一般 1200円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下無料
※事前にローソンチケットで入館券の購入が必要
日本の手仕事の新たな可能性。「特別企画 和巧絶佳展 令和時代の超工芸」(パナソニック汐留美術館)
パナソニック汐留美術館では、特別企画の「和巧絶佳展 令和時代の超工芸」が7月18日にスタートする。
本展では、日本の美意識に根ざした工芸的な作品によっていまもっとも注目を集める、1970年以降生まれの作家を紹介。現在の日本の新しい兆候を示すだけでなく、これまで受け継がれてきた日本の手仕事の可能性を考える。
参加作家は、ポップな色彩の陶芸作品を手がける桑田卓郎、「ヒールレスシューズ」で知られる舘鼻則孝、アクリル絵の具と透明樹脂を用いて立体的に金魚を描く深堀隆介、サブカルチャーの要素を螺鈿など漆の伝統技法で表現する池田晃将ら12名。ほぼ全員が今回のために新作を制作し、現代の「超工芸」が集結する貴重な機会となる。
会期:2020年7月18日~9月22日
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
電話:03-5777-8600
開館時間:10:00~18:00(7月24日、7月31日、8月7日、8月28日、9月4日〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:7月22日、8月12日~14日、8月19日、9月9日、9月16日
料金:一般 1000円 / 65歳以上 900円 / 大学生 700円 / 中学・高校生 500円 / 小学生以下無料