1919年、ドイツの古都ヴァイマールに誕生した造形学校・バウハウス。建築家のヴァルター・グロピウスが設立し、ヴァシリー・カンディンスキーやパウル・クレーなど時代を代表する芸術家たちが指導にあたった同校は、造形教育に大きな革新をもたらした。
そんなバウハウスの教育のあり方に焦点を当てた展覧会「きたれ、バウハウス」が、新潟市美術館で開催されている。
バウハウスでとりわけユニークだったのは、入学した学生が最初に受ける基礎教育。本展ではこれを軸に、クレーをはじめヨハネス・イッテンやヨゼフ・アルバースらによる当時の授業を紹介。再現も交え、実際にその一端を体験することができる。
加えて本展では、家具・金属・印刷・舞台などバウハウスの様々な工房で繰り広げられた豊かな成果を展示。いまなお色あせないグラフィックデザインやプロダクトデザイン約350点が並ぶ。また今回は、バウハウスに留学した水谷武彦、山脇巌、山脇道子、大野玉枝という4人の日本人学生の活動を一堂に紹介する初の機会となる。
実際に学生が受けた授業を追体験し、バウハウスに「体験入学」することのできる本展。なお新潟市美術館の後は、西宮市大谷記念美術館(10月12日~12月1日)、高松市美術館(2020年2月8日~3月22日)、静岡県立美術館(4月11日~5月31日)、東京ステーションギャラリー(7月17日~9月6日)への巡回が予定されている。