ニューヨークを拠点に活動するアメリカ人アーティスト、ライアン・サリバンの日本初個展が、東京・GINZA SIX内のTHE CLUBで開催される(5月23日~7月15日)。本展は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため現在休館中のGINZA SIXが再開次第、予約制にて観覧可能となる。
複数のレイヤーとジェスチャーをひとつの平面に圧縮させたようなサリバンのペインティングは、色とりどりの顔料で着色された樹脂を用いて描かれる。そのプロセスは、樹脂が滞留し、筋を成し、混ざりあい、移ろい、その流れによってきわめて薄い空隙を埋めていき、最後に型枠を外すというもの。これを経て、鮮やかな色彩と躍動的なリズムによる力強いコンポジションが創出されている。いっぽう樹脂によるペインティングから生まれたかたちをもとに、制作プロセスを逆転させて生み出される紙の作品にも注目だ。
その作品は、ニューヨーク近代美術館などに収蔵され、2015年には、ICAマイアミ美術館で個展を開催。19年は、パブリックアートとしてインスタレーションなどを展示するニューヨークのハイラインプロジェクトにも参加した。同企画の参加作家には、サリバンのほか、ダニエル・ビュレンやサム・フォールズ、荒川医などがいる。
本展では、今回のために制作されたシリーズや紙の作品など全12点の新作を展示。塗料自体の特性を探求し、長年にわたる様々な実験を経て生み出されたサリバン独自の抽象世界を堪能できる。