近年、インターネットはさらに急速な発展を遂げ、世界規模の情報通信網の勢いは止まるところを知らない。いまや私たちの生活には欠かせないものとなっているいっぽうで、テロリストのプロパガンダやフェイクニュースなどの有害情報の氾濫、兵器、麻薬、臓器、偽パスポートなどの売買という犯罪を生み出していることも事実だ。
チューリッヒとベルリンをベースに活躍するスイス人のアーティストデュオ「!メディアングルッペ・ビトニック(!Mediengruppe Bitnik)」は、こういったインターネット社会の闇に着目。政府による監視システムやサイバーセキュリティ、闇ネットショップなど、インターネットに関わる様々な社会問題を主題とした作品を手がけてきた。
今回、京都のLaboratory of Art and Formでは、その日本初個展を2期に分けて開催。現在開催中の前期は旧作展(~4月6日)、続く後期は新作展となる(4月11日~5月9日)。
また新作展のオープニングにあわせて、!メディアングルッペ・ビトニックが来日。終戦した1945年8月15日からの1年間を、貴重な未公開映像や機密資料とともにたどる『戦後ゼロ年 東京ブラックホール』などを手がけた元NHKディレクター貴志謙介と、社会学者の毛利嘉孝を交えたアーティストトークが行われる。