EXHIBITIONS

現代地方譚5 −想像の葦−

アキラ・ザ・ハスラー パフォーマンス風景 2017 撮影=高橋洋策

アキラ・ザ・ハスラー パフォーマンス風景 2017 撮影=高橋洋策

西村有 scenery passing(reflected in the window) 2017 Courtesy of the artist and KAYOKOYUKI

碓井ゆい shadow work 2016 撮影=木暮伸也 Courtesy of the artist

 絶滅種のニホンカワウソが最後に目撃されたとされる清流、新荘川が流れる高知県須崎市。かつて商業集積地として栄えたこの自然豊かな町を活気づけるべく、県外の美術作家によるアーティスト・イン・レジデンスと成果発表展示、高知県在住の美術家の交流展、演劇や音楽公演を行う「現代地方譚」の第5回が開催される。

 美術展では、県内作家を紹介するほか、レジデンス作家のアキラ・ザ・ハスラー、碓井ゆい、西村有の作品を展示。アキラ・ザ・ハスラーは滞在時にバーを開き、ドラァグショーを披露しながら町の言葉に耳を傾け、碓井は一般家庭を訪問し、生活のなかの手芸品や小物を取材、西村はスケッチブックとカメラを手に町を歩いた。こうした調査での三者三様の経験を基に展覧会を構成する。

 また、人々が集って自由にものづくりができるワークスペースも設置。そのほか、早咲きの桜を眺める地元の行事「雪割桜」に合わせた「夜桜キャンドルナイト」の幻想的な空間で、環ROYによる野外ライブを行う。

 「現代地方譚」の今回のテーマは「想像の葦(あし)」。須崎市の将来を想像し、地域再生を目指すだけでなく、様々な企画や作家との交流を通して、地域の課題を前向きに考えることもできるだろう。