小山友也、中山晃子、宮崎勇次郎ら7名による「もの・かたりー手繰りよせることばを超えてー」が開催。言葉を超えて象られる「ものがたり」のかたちとは?

東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻領域による「見える化」プロジェクトの一環として、グループ展「もの・かたりー手繰りよせることばを超えてー」が、代官山ヒルサイドフォーラムで開催される。菊池遼、小山友也、下山健太郎、白井忠俊、中山晃子、原田郁、宮崎勇次郎の7名が参加する本展の会期は、3月6日〜17日。

小山友也 Listening together 2017

 東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻領域による、より多様な価値が混ざり合う教育と対話の場を目指す「見える化」プロジェクトの一環として、グループ展「もの・かたりー手繰りよせることばを超えてー」が開催される。

 ゲストキュレーターを務めるのは、これまで「Alterspace - 変化する、仮設のアート・スペース」(アサヒ・アートスクエア、2014)、「皮膚と地図:4名のアーティストによる身体と知覚への試み」(愛知芸術センター、2010)などを企画した水田紗弥子。

下山健太郎 左ーー芝の緑 -Green of the Lawn- 2017 右ーー紫と木 -Purple and a Tree- 2017 Photo by Koyuki Tayama

 菊池遼は、フリー画像をパソコンで加工・編集したものをベースにシルクスクリーンで制作を行うなど、多様な制作スタイルを通して存在の本質を問い直す平面作品を手がけてきた。また、小山友也は様々なメディアを組み合わせ、社会の構造や当たり前とされる習慣に介入することで現実の違和感を引き出す制作を行う。

中山晃子 Alive Painting Solo Performance(青山スパイラルでのパフォーマンス風景)2017 Photo by Haruka Akagi

 いっぽう、中山晃子は液体等を用いたパフォーマティブな手法で、色彩と流動のエネルギーが描き出す表象としての「絵」を出現させる。原田郁は、本人が「inner space」と呼ぶ架空の世界を3Dグラフィックで制作し、その風景をキャンバスに描くスタイルが特徴的。現実と想像が融合し、拡張し続けるそのバーチャルな世界は、見るものに新たな絵画作品の体感を促してゆく。

原田郁 Inner space(detail) update 2018.7 © Iku Harada

 そのほかに下山健太郎、白井忠俊、宮崎勇次郎が参加する本展。個人と社会、記憶と現在を結びつけた「ものがたり」を感じさせる作家たちの作品から、筋道のある物語を解体して「もの」を「かたる」こと、作品をつくるとはどのようなことかを考えたい。

 

編集部

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