「シアターコモンズ’20」の参加アーティスト第1弾が発表。VR技術を用いた小泉明郎の演劇作品『縛られたプロメテウス』の上演が決定

日常生活で演劇的発想を活用し「来たるべき劇場/演劇」を提示するプロジェクト「シアターコモンズ」 。第4回目となる「シアターコモンズ’20」の参加アーティスト第1弾として、シャンカル・ヴェンカテーシュワラン、ジルケ・ユイスマンス&ハネス・デレーレ、小泉明郎、ナフームの4組が発表された。会期は2020年2月27日〜3月8日。

シアターコモンズ’20のイメージ

 演劇の「共有知」を活用し、社会の「共有地」を生み出すことを目指し、2017年から開催されているプロジェクト「シアターコモンズ」。「演劇をつかう。劇場をつくる。」をテーマに、日常生活や都市空間の中で、演劇的な発想を活用することで、「来たるべき劇場/演劇」のかたちを提示している。ディレクターは芸術公社の相馬千秋が務める。

 第4回目となる「シアターコモンズ’20」の参加アーティスト第1弾として、シャンカル・ヴェンカテーシュワラン、ジルケ・ユイスマンス&ハネス・デレーレ、小泉明郎、ナフームの4組が発表された。

 シャンカル・ヴェンカテーシュワランは、インド・ケーララ州の山中に独自の劇場を建設しながら、インドと世界の演劇界をつなぐ活動を展開している。昨年のシアターコモンズ’19では『犯罪部族法』を上演し、社会や個人の無意識に潜む差別の構造に鋭く迫った。今回は、14世紀の文献にも残されている、インドの伝説的な奇術をモチーフにした作品『インディアン・ロープ・トリック』を発表する。

シャンカル・ヴェンカテーシュワラン『インディアン・ロープ・トリック』

 新たなドキュメンタリー演劇の旗手として注目を集める、ベルギーの若手アーティストユニット、ジルケ・ユイスマンスとハネス・デレーレは、フィールドワークやインタビューによるリサーチをもとにした作品を発表してきた。「シアターコモンズ’20」では、スマートフォン操作だけでつくられる、新世代のドキュメンタリー演劇『快適な島』を上演する。

ジルケ・ユイスマンスとハネス・デレーレ『快適な島』 (C) Indra Struyen

 小泉明郎は、あいちトリエンナーレ2019で上演され注目を集めた、VR技術を使った演劇作品『縛られたプロメテウス』を再演。ギリシャ悲劇のアイスキュロス『縛られたプロメテウス』を出発点に、自分とは異なる「他者」の感覚や感情をVRという新たな技術によって追体験する。

小泉明郎『縛られたプロメテウス』 (C) Aichi Triennale 2019 Photo:Shun Sato

 その他、全参加アーティストは1月下旬に発表される予定。

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