水玉やカボチャなどのモチーフで知られ、いまなお精力的に制作を続けるアーティスト・草間彌生。今年11月には映画『草間彌生∞INFINITY』が日本で公開されるなど、数々の困難を乗り越えたその人生にも注目が集まっている。
そんな草間の、国内美術館では最初期の回顧展「草間彌生 はじける宇宙」(1992)や、近・新作による個展「草間彌生 永遠の永遠の永遠」(2012)といった展覧会で、その作品世界を紹介してきた新潟市美術館。ここで、同館が所蔵する草間作品全85点を一挙に公開する「草間彌生+アメリカに渡ったアーティストたち」展が開催される。会期は2020年2月8日~4月12日。
同館は、繊細な色彩が特徴的な初期のパステル画《線香花火》(1952)や、幅8.4メートル、高さ3.2メートルの大作《流星》(1992)など貴重な作例の収集も進めてきた。なかでも、草間が南魚沼市出身の版画刷り師・木村希八と共に取り組んだエッチング59点は、鉄筆による生々しい線描で自伝的テーマを表現した、「知られざる草間」を味わうことのできる作品だ。
本展ではそのほかにも、草間がニューヨークを拠点として活動した1958~73年に親交を深めたジョゼフ・コーネルのほか、草間と同じくアメリカに渡って転機を迎えた靉嘔、荒川修作、篠原有司男など、同時代のアーティストによる作品を紹介する。