この国の「お祭り騒ぎ」は何を覆い隠すのか。震災後に始動したユニット、堀浩哉+堀えりぜの展覧会が原爆の図丸木美術館で開催
1970年代頃から協働を続け、2011年の東日本大震災、原発事故以降ユニットとして活動してきた「堀浩哉+堀えりぜ」。その個展「堀浩哉+堀えりぜ 記憶するために―わたしはだれ?」が、原爆の図丸木美術館で開催される。会期は9月7日~11月17日。
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堀浩哉は1947年生まれ。多摩美術大学に入学後「美共闘(美術家共闘会議)」を結成し、70年に中退。こうした運動と並行して絵画作品を制作し、現在はインスタレーションやパフォーマンスも手がけている。2010年には多摩美術大学が運営するオルタナティヴ・スペース「アキバタマビ21」を設立し、初代プロデューサーを務めた。
いっぽう堀えりぜは1948年生まれ。堀浩哉と同年に多摩美術大学を中退後、Bゼミスクールや高松次郎「塾」などで学ぶ。75年からはパフォーマー、コラボレーターとして堀浩哉の作品に参加。90年代末には畠中実を加えた3人で「ユニット00」として活動を始めるほか、2011年の東日本大震災・原発事故以降は「堀浩哉+堀えりぜ」として旺盛な表現活動を展開してきた。
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このふたりによる展覧会「堀浩哉+堀えりぜ 記憶するために―わたしはだれ?」が、原爆の図丸木美術館で開催される。会期は9月7日~11月17日。
ふたりはインスタレーションやパフォーマンスを中心に活動し、近年は「会津漆の芸術祭」(2012)や「釜山ビエンナーレ」(2016)といった芸術祭に参加。また堀浩哉の近作絵画シリーズ「滅びと再生の庭」では、堀えりぜが朗読したテキストを堀浩哉が聴き取って描くというコラボレーションを行っている。
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本展は翌年に迫った東京オリンピック・パラリンピック、そして2025年の大阪万博の開催を見据えたもの。この国が「お祭り騒ぎ」によって何を覆い隠すのかを問い、新たな時代を切り拓くビジョンを提示する。堀浩哉+堀えりぜが震災以降に展開してきた活動の集大成を見ることができるだろう。