2019年4月、京急線高架下に新しく誕生した「KOCA」は、あらゆるクリエイションの実験をサポートするコワーキングスペースであり、工房であり、インキュベーションスペース。都内でもっとも町工場の多い大田区で株式会社@カマタの運営のもと、新しい出会いやコラボレーションから魅力的なサービスやプロダクト、プロジェクトが創出されるプラットフォーム/コミュニティを目指している。
同スペースでスタートする企画「Ota Art Archives(OAA)」では、そんな刺激的な場を舞台に現代アートを第三極として大田区ゆかりの作家を招聘。今後展示や企画を継続的に行っていく。
初回は、大田区に長年スタジオを構える美術作家の青山悟が、KOCAにスタジオを一時的に移し、10月に開催予定のミヅマアートギャラリーでの個展に向けた作品などの公開制作を行う。これを実験場として、ゲスト作家とのコラボレーションや未発表作品、アイデアスケッチなども展開するという。
青山は1973年東京生まれ。98年にロンドン・ゴールドスミスカレッジのテキスタイル学科を卒業後、2001年にシカゴ美術館附属美術大学で美術学修士号を取得。現在は東京を拠点に活動を行っている。
工業用ミシンを用いて、近代化以降変容し続ける人間性や労働の価値を問い続けながら、刺繍というメディアの枠を拡張させる作品を数々発表してきた青山。近年では17年に個展「News From Nowhere」(ミヅマアートギャラリー、東京)を開催したほか、「ヨコハマトリエンナーレ」(2017)や「Unfolding: Fabric of Our Life」(2019、Center for Heritage Arts & Textile、香港)などの芸術祭やグループ展にも参加している。
公開制作初日の6月15日には、飯沼英樹、市川平、中島崇、臼井良平、LPACK、キュンチョメ、小金沢健人、時里充、長坂絵夢、新垣美奈、東恩納裕一、福留麻里、堀浩哉+堀えりぜ、松本力らゆかりのある美術作家を招いたオープニング・トークも実施。そのほか、青山がその場でオリジナル刺繍などを行うクラウドファンドも行われる。こちらもあわせてチェックしたい。