EXHIBITIONS

アペルト11

久野彩子 都市のメタモルフォーゼ

2019.07.06 - 09.23

久野彩子 transform-hemisphere- 2018 ©️ KUNO Ayako

久野彩子 skyline-TOKYO- 2019年 © KUNO Ayako

久野彩子 metropolis 2015 ©️ KUNO Ayako collection of NANATASU GALLERY

 新進気鋭の若手作家を中心に紹介するシリーズ「アペルト」。11回目では、移ろいゆく都市の姿を繊細に表現する金属造形作家・久野彩子の個展が開催される。

 久野は1983年東京都生まれ。2008年武蔵野美術大学工芸工業デザイン科金工専攻卒業、10年東京芸術大学大学院美術研究科工芸専攻(鋳金)修了。主な受賞歴に、第3回金沢・世界工芸トリエンナーレ 金沢・世界工芸コンペティション入選(2017)、第9回佐野ルネッサンス鋳金展奨励賞(2017)など。ロストワックス鋳造技法などを用いて作品制作を行う。

 ロストワックスとは、ロウでつくった精密なかたちを鋳物に置き換える手法のこと。古くは奈良の大仏の鋳造にも用いられていた技法により、久野が手がける作品は金属の硬質で重厚な質感と、細部にまで技巧を凝らした精緻な造形を併せ持っている。

 本展では、金属と向かい合い、鋳造と対話するように真摯に制作に取り組む久野の作品群を紹介。東京の地図や建設途中の建造物が密集する都市空間、未来都市を想起させる半球、日本全国の都道府県をモチーフにした近作に加え、空を背景とした東京の建築物のアウトラインを浮き彫りにした新作《skyline-TOKYO-》を展示し、未来への希望を込めた都市の風景を展観する。