2019.5.16

現代のファッションを見つめ直す。「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」展に注目

京都国立近代美術館と京都服飾文化研究財団(KCI)は、「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」展を開催する。本展は、ファッ ションやアートのほか映画、マンガやアニメなどに描かれたファッションも視野に入れながら、現代における新たな「ドレス・コード」と、装いの実践(ゲーム)を見つめ直すものになるという。会期は8月9日〜10月14日。

COMME des GARÇONS(川久保玲) 2018年春夏 京都服飾文化研究財団所蔵 撮影=畠山崇
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 「服を着る」という、社会生活を送るうえで欠かせない文化的な営み。これに焦点を当てた展覧会「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」展が、京都国立近代美術館で開催される。

 時代や地域、社会階層の文化や慣習と結びつき、暗黙の「ドレス・コード」とも言える様々なかたちの規範やルールが存在するファッション。インターネットとSNSの普及によって、ファッション自体、そしてファッションと人々のかかわり方は新しい局面を迎えている。

都築響一によるインスタレーションより ©Lamaski

 本展では、18世紀の男女の宮廷服や20世紀初頭の紳士服など、歴史的な衣装類から現代の衣服まで、京都服飾文化研究財団(KCI)が収蔵する衣装コレクションから精選した約90点を中心に展覧。ファッションやアートのほか映画、マンガやアニメなどに描かれたファッションも視野に入れながら、現代における新たな「ドレス・コード」、装いの実践(ゲーム)を見つめ直すという。

CAMBELL‘S SOUP COMPANY「スーパードレス」 1968 京都服飾文化研究財団所蔵 撮影=畠山崇

 会場では、男性のスーツや制服から、シャネル・スーツなどの普遍性を備えたスタイルやアイテム、グッチやルイ・ヴィトン、コム デ ギャルソン、ヴェトモンといった人気ブランドが手がける最新のスタイルまで、現代ファッションに見られる様々な装いの実例を紹介。

ジェフ・クーンズ × LOUIS VUITTON 2017 京都服飾文化研究財団所蔵 撮影=畠山崇

 森村泰昌や石内都、ハンス・エイケルブームなど現代美術作家による多彩な表現の実践を取り上げ、着ることの意味を深く掘り下げるとともに、映画ポスターのほか、歴史マンガ『イノサン』『イノサン Rouge』とのコラボレーションや、演劇カンパニー「マームとジプシー」「チェルフィッチュ」によるインスタレーションなどを通して、服とキャラクターについても考察する。

森村泰昌 セルフポートレイト 駒場のマリリン 1995 / 2008 ゼラチン・シルバー・プリント 豊田市美術館蔵

 なお、本展に登場するブランドは、beautiful people、Burberry、CHANEL、COMME des GARÇONS、DIOR、FENDI、GIORGIO ARMANI、GUCCI、ISSEY MIYAKE MEN、JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS、KOCHÉ、LOUIS VUITTON、ジェフ・クーンズ×LOUIS VUITTON、MOSCHINO、Valentino、Vetements、Yohji Yamamotoほか多数。ファッション以外では、青山悟、石内都、アンディ・ウォーホル、ハンス・エイケルブーム、都築響一、マームとジプシー、ミケランジェロ・ピストレット、森村泰昌らが参加する。

COMME des GARÇONS HOMME PLUS(川久保玲) 2009秋冬 京都服飾文化研究財団所蔵 撮影=畠山崇
石内都 Frida by Ishiuchi #2 2012 / 2016 ©Ishiuchi Miyako
ハンス・エイケルブーム フォト・ノーツ 1992-2019 インクジェットプリント 作家蔵 © Hans Eijeklboom