EYE(BOREDOMS)を中心にしたグループ展がBLUM & POEで開催。安野谷昌穂、五木田智央、金氏徹平、森千裕が参加

ボアダムス(BOREDOMS)の設立者でありフロントマンのEYEを中心にしたグループ展「Vong Co RAHZI(ボン コ ラージ)」が、原宿のBLUM & POE東京で開催される。参加作家は安野谷昌穂、五木田智央、金氏徹平、森千裕の4名。会期は6月15日〜8月10日。

EYE XOX 1996-97 Courtesy of the artist and Blum & Poe, Los Angeles / New York / Tokyo

 多ジャンルでの実践を通じたアーティストたちの新たな批判的アプローチと探求の数々が花開き、アンダーグラウンドの文脈にあるサブカルチャーの要素を自身の美術的領域と融合していく動きも見られた1980・90年代。今年、ロサンゼルスの同ギャラリーで行われた吉竹美香キュレーションによる「パレルゴン:1980年代、90年代の日本の美術」展は、絵画や立体、パフォーマンス、ノイズ・ミュージック、映像、写真といった多岐にわたる媒体の作品群を通じて、同年代の日本美術の検証する展覧会であった。

 なかでも、日本のノイズ・ミュージックをはじめとする、美術史において周縁として考えられてきた音楽的ジャンルが及ぼしたインパクトは、アンダーグラウンドなサブカルチャーとの結びつきのなかで分野を越えた影響をもっともよく示すものとされる。

 例えば世界でカルト的な人気を誇るオルタナティヴ・バンド「BOREDOMS(ボアダムス)」の設立者でありフロントマンのEYEは、音楽/美術といった枠組みや表現領域を超えて、大きな影響を与え続けてきた。EYEの表現は、音楽のみならず70年代のサイケデリック・アートから受けた衝撃や、具体の作家である嶋本昭三によるメール・アートへの共感など美術的な試みともオーバラップ。90年代以降は、エアブラシ、マーカーペン、コラージュといった様々なメディウムや技法によるミクスト・メディア的手法を用いた作品を次々と生み出してきた。

 今回、原宿のBLUM & POE東京では、そんなEYEを中心にしたグループ展「Vong Co RAHZI(ボン コ ラージ)」を開催。本展は、音楽のみならず美術の領域でも多くの日本人作家に影響を与えてきたEYEの創作活動に敬意を抱く作家たちとともに、ペインティング、ドローイング、映像、立体、サウンド、パフォーマンスといった多様な媒体によって、日本美術史のなかのある系譜をとらえていくものだ。

 参加作家は、COMME des GARÇONSやZUCCaなどとのコラボレーションワークなども手がける安野谷昌穂、70年代のアメリカのサブカルチャーやアンダーグラウンドの雑誌や写真を参照し、白黒の絵画を描く五木田智央、日常的なイメージを持つオブジェクトをコラージュし、立体作品やインスタレーションを展開する金氏徹平、そして日々目にする看板や商標などのモチーフを組み込みながら自由な絵画表現を行う森千裕の4名。

 8月10日にはクロージング・イベントとして、EYEや五木田智央によるDJイベントも開催されるという。こちらもあわせてチェックしたい。

編集部

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