タカ・イシイギャラリーが香港に実験的な新スペースをオープン。こけら落としは五木田智央展

タカ・イシイギャラリーは、香港の湾仔(ワンチャイ)地域に新しいコンセプトのリテールショップ、SHOP Taka Ishii Galleryをオープンした。「ギャラリー」と「ショップ」の境界を互いに浸食し合う実験的なスペースでは、五木田智央の立体作品を展示するこけら落とし展が開催中。会期は2019年3月16日まで。

五木田智央 Untitled 2018 写真にアクリルグワッシュ 13.5 x 8.7 cm © Tomoo Gokita

 1994年、東京に開廊した日本を代表する現代美術のギャラリー、タカ・イシイギャラリーは11月24日、香港の湾仔(ワンチャイ)地域に新しいコンセプトのリテールショップ、SHOP Taka Ishii Galleryをオープンした。

 このスペースでは、店内の空間デザインや扱う作品・商品の選択を様々なアーティストやデザイナーに委ねることで、「ギャラリー」と「ショップ」の境界を互いに浸食し合う実験的な商業空間を目指すという。

 こけら落としの展示は、画家の五木田智央が会場設計を手掛けた。1969年東京生まれの五木田は、90年代後半に鉛筆や木炭、インクで紙に描いたドローイング作品で注目を集め、これまで国内外で多数の個展を開催。本展では、ベニヤ板や紙にアクリルグワッシュで描いた新作や、今回初めて試みるブロマイド写真の上に直接ペイントを施した作品などをはじめ、五木田の立体作品を展示。

 また、無類のレコード好きとして知られる五木田は、今回ショップ内に流れる音楽の選曲も行った。加えて、五木田がジャケットデザインを手掛けた数多くのCD やLPとともに、「心の故郷」と呼ぶプロレスを中心としたイラストのTシャツの販売も実施。

 今後、この新しいスペースではロンドン在住の照明デザイナー、マイケル・アナスタシアデスの照明作品と新作家具のインスタレーションや、荒木経惟のファッションブランドとのコラボアイテムと写真集など、多彩な展示プログラムが行われる予定だ。海外に目を向けるタカ・イシイギャラリーの今後の動向に注目したい。

編集部

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