1963年埼玉県生まれの沖潤子は、2002年より母が残した布に自己流の刺繍を始めた。17年に「第11回shiseido art egg」に選出され、6月30日から7月23日まで資生堂ギャラリーで個展を開催。古い布やボロに、下絵を描かずに施される縦横無尽に広がる刺繍には、布が経てきた時間や沖自身の時間が刻み込まれている。
いっぽう安野谷昌穂は91年兵庫県生まれ。ドローイングやコラージュといったさまざまな技法を組み合わせ、直感や衝動をストレートに表現している。COMME des GARCONSやZUCCaとのコラボレーションワークを数多く発表するほか、STEIDL社のアートブックで取り上げられるなど、世界的に注目を集めている作家の一人。
本展で、沖は資生堂ギャラリーで展示した宙吊りの刺繍作品をはじめとする諸作品を、安野谷はドローイング作品をそれぞれ展示する。新進気鋭の2人の作家による本展に足を運んでみてはいかがだろう。