「機動戦士ガンダム」シリーズをはじめ、『伝説巨神イデオン』『聖戦士ダンバイン』など、オリジナルアニメーションの総監督を数多く務めてきた富野由悠季(とみの・よしゆき)。その55年の活動を通覧する展覧会が、福岡市美術館で開催される。
ロボットアニメでは常識とされてきた勧善懲悪的なストーリーを退け、シリアスな人間ドラマを描いた富野。本展では「旅立ちと帰還、対立と和解、生と死、破滅と再生」をテーマに、直筆の絵コンテのほか、デザイン画、原画、撮影に使われたセル画などの資料から、その仕事を検証する。
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富野は1941年生まれ。幼い頃から宇宙への憧れを抱き、虫プロダクションでは『鉄腕アトム』の演出を担当。退社後の72年、TVアニメ『海のトリトン』で初の総監督を務める。この頃から善悪を相対的なものとしてとらえ、残酷なドラマのなかで「成長」を描く富野ならではの演出を確立していく。
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本展では、富野の原作・総監督による重厚な人間ドラマが特徴の『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』のほか、それとは対照的な、エンターテインメントとしてのアニメの特性を最大限に活かした作品も紹介。また、『ラ・セーヌの星』など、意外と知られていない富野作品も見ることができる。
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加えて「ガンダム」シリーズの変遷にも注目したい。本展では『機動戦士Zガンダム』に端を発する「シャア」の逆襲や、新しいガンダム像を提示した意欲作『∀ガンダム』、劇場版最新作が現在制作中の『ガンダム Gのレコンギスタ』まで、その流れとともに富野の強いメッセージを読み解いていく。
なお本展は福岡市美術館で開催の後、兵庫県立美術館、島根県立石見美術館、青森県立美術館、富山会場(予定)、静岡県立美術館に巡回予定となっている。
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