福岡市美術館は1979年に開館して以来、重要文化財を含む茶道具・仏教美術のほか、サルバドール・ダリやジョアン・ミロ、アンディ・ウォーホルといった20世紀の作家の作品、そして現代美術までを含む約1万6000点のコレクションを収集・保存してきた。
そんな同館が、3月21日にリニューアルオープン。このリニューアルオープンを記念する展覧会が開催される。本展では、リニューアルによって生まれ変わった全展示室を用いて、同館の今後の活動のあり方を示す展示が行われる。
コレクション展示室A〜Fでは、「これがわたしたちのコレクション」を開催。ここでは、同館が誇る約1万6000点のコレクションのなかから厳選された代表的な作品約300点が一堂に集結する。
また、この同館最大規模のコレクション展示とあわせて、特別展示室では、イギリスを拠点に活動を行っている国際的美術家、インカ・ショニバレCBEの日本初個展「インカ・ショニバレCBE:Flower Power」が開催される。
ショニバレは、長年にわたって「花」をモチーフに用いた様々な作品を制作してきた。青年期までナイジェリアで過ごしたショニバレは、鮮やかな色と奇抜な柄が特徴的な綿布を作品に使用。この綿布は「アフリカンプリント」と呼ばれることがあるが、実際はインドネシアのバティック(ろうけつ染め)をもとにヨーロッパで製造され、アフリカに根付いたものだという。
これを出発点にショニバレは、作品を通じて「~らしさ」という固定観念に疑問を投げかけている。本展では、「花」をモチーフとした作品を代表作とともに展示。加えて、同館のリニューアルオープンを記念した「桜」をテーマとした新作を発表するという。華やかな美しさの先にある、新たな驚きと刺激を体験したい。