春画からラファエル前派まで、今週末に見たい3つの展覧会

今週スタートした展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。この機会をお見逃しなく。

「ピエール セルネ & 春画」の会場風景

春画と写真作品の競演。「ピエール セルネ & 春画」(シャネル・ネクサス・ホール)

会場風景

 世界的に大きな注目を集める「春画」。その代表作とともに、フランス人パフォーマンスアーティストであり写真家のピエール・セルネの写真作品をともに紹介する展覧会「ピエール セルネ & 春画」が東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで3月13日開幕した。

 これまでの「春画展」でも主導的な役割を果たしてきた浦上蒼穹堂天守・浦上満の個人コレクションより、浦上自身が「もっともよい作家のもっともよい作品を集めた」という珠玉の春画。そして文化的、民族的に異なる背景を持つ、個人あるいはカップルのヌードを被写体とした、ピエール・セルネによる写真シリーズ「Synonyms(類似表現)」が並ぶ本展。「覗き窓」を思わせるような丸窓が設けられた会場デザインにも注目してほしい。

会期:2019年3月13日〜27日(前期)、3月29日〜4月7日(後期)
会場:シャネル・ネクサス・ホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
開館時間:12:00〜19:30
休館日:3月28日

 

新進の33作家による作品が一堂に集結。「VOCA展2019」(上野の森美術館)

VOAC賞を受賞した東城信之介《アテネ・長野・東京ノ壁ニアルデアロウ模写》(部分)

 平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に、1994年より毎年開催されている美術展「VOCA展」。その26回目となる展覧会が、東京の上野の森美術館で3月14日に開幕。今年は大賞となる「VOCA賞」を、酸化させた金属の表面に細かい傷をつけるスタイルの作品を手がける東城信之介(推薦者:山内舞子)が受賞した。

 これまでに延べ888人(組)の作家が出展し、過去の出展者には福田美蘭や小林正人奈良美智村上隆らがいるVOCA。今後の活躍が期待される作家の気鋭の表現をお見逃しなく。

会期:2019年3月14日〜30日
会場:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園1-2
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 600円 / 大学生 500円 / 高校生以下無料

 

19世紀画家たちの洗練と野心に触れる。「ラファエル前派の軌跡展」(三菱一号館美術館)

展示風景より、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ《ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)》(1863-68頃)

 1848年、画家のダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハント、ジョン・エヴァレット・ミレイらが結成した前衛芸術集団「ラファエル前派同盟」。彼らの精神的な指導者となり、19世紀の英国美術の発展に大きな影響を与えた思想家、ジョン・ラスキンの生誕200年を記念した展覧会「ラファエル前派の軌跡」展が、東京・丸の内の三菱一号館美術館でスタートした。

 会場に並ぶのは、ラファエル前派同盟の作品を中心に、ラスキンが自著で論じたことでその評価の確立に与した、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの油彩画・水彩画や、ステンドグラス、家具など約150点。作品保存の観点から公開される機会は少ないというラファエル前派の作品がまとまったかたちで鑑賞できる本展で、当時の画家たちの志と熱に触れてほしい。

会期:2019年3月14日~6月9日
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00〜18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、6月3~7日は〜21:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし4月29日、5月6日、6月3日とトークフリーデーの3月25日、5月27日は開館)
料金:一般 1700円 / 高校・大学生 1000円 / 小・中学生無料

 

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