EXHIBITIONS

ラスキン生誕200年記念

ラファエル前派の軌跡展

2019.03.14 - 06.09
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エドワード・バーン=ジョーンズ 赦しの樹 1881-82 リヴァプール国立美術館、レディ・リーヴァー・アート・ギャラリー © National Museums Liverpool, Lady Lever Art Gallery

 1848年のイギリスで結成され、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハント、ジョン・エヴァレット・ミレイらが中心となった「ラファエル前派同盟(ラファエル前派)」。アカデミズムに異を唱え、自然をありのままにとらえたラファエロ以前の美術動向へと立ち戻るために、英国美術の全面的な刷新を目指した。

 ミレイの《オフィーリア》をはじめ、ラファエル前派に属した前衛芸術家たちの作品は、観る者の心に訴えかけ、広く共感を呼び、人々は社会の基盤が揺れ動くなかで、その芸術に大きな意義を見出した。

 そんなラファエル前派の精神的な指導者であったジョン・ラスキンは、あらゆる人に関わる芸術の必要性を説く一方で、ロセッティやミレイと、その影響を受けた後世のバーン=ジョーンズやモリス、そして偉大な風景画家・ターナーとを関連づけて考察した。

 ラスキンの生誕200年を記念する本展では、英米の美術館に所蔵されるラファエル前派の油彩画や水彩画、素描、ステンドグラス、タペストリ、家具など約150点を通じてその功績をたどり、同時代の豊かな成果を展覧。ロセッティの《ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)》、バーン=ジョーンズの《赦しの樹》、ターナーの《カレの砂浜——引き潮時の餌採り》など名品が揃う。