EXHIBITIONS

Toluca Éditions「12 TITLES」

The Mass
2019.02.09 - 03.10

トーマス・ルフ(写真)、インゴ・シュルツェ(テキスト)、アトリエ・ワン(case) Two Women 2012

荒木経惟(写真)、マイケル・バルトゥ(テキスト)、 オリビア・アンドレオッティ(ケース) Tin Ashes 2008

森山大道(写真) Color 2013

ホンマタカシ(写真)、パトリック・ブーベ(テキスト)、Nendo(ケース) Structure Pulsion 2009

エリック・ポワトゥー(写真)、ユージーン・サヴィツカヤ(テキスト)、マーティン・セーケイ(case) Le Sacrifice Des Béliers 2012

ロー・エスリッジ(写真) Cigarettes and Apple 2015

 「トルーカ・エディションズ(Toluca Éditions)」は、グラフィック・デザイナー、アーティスティック・ディレクターのオリヴィエ・アンドレオッティと、キュレーター、またメゾンエルメスの副アーティスティック・ディレクターとしても活動するアレクシス・ファブリーの2人が2003年に設立した出版社。パリを拠点とし、一般的に知られる「アーティスト・ブック」や画集のイメージとは異なった、箱入り写真と写真集との中間点に位置する独創的な写真オブジェを制作している。

 制作工程においては写真・テキスト・デザインの3つを柱とし、各タイトルにつき写真家、執筆家、デザイナーそれぞれが写真、文章およびケースという構成要素をつくり出す。そしてトルーカ出版側がそれらを編集し、グラフィックデザインを施すことで1つの作品が完成。特製ケースにテキストとオリジナルの写真プリントを含む未綴じのルーズリーフが含まれる。

 トルーカ・エディションズは、デジタル画像の普及によって写真集というフォーマット自体が危機的状況にある現在、こうした豪華で妥協のない写真出版事業を通じて、「写真」の革新とその現代的な存在の維持に努めている。

 本展では、現在vol.42まで出版される「アーティスト・ブック」より厳選した12作品を展示。トーマス・ルフ、パトリック・ブーベ、ヘルツォーク&ド・ムーロンほか、フォトグラファー、ライター、デザイナーのコラボレーションワークや、荒木経惟、森山大道が手がけた作品など、20世紀初頭の「アーティスト・ブック」の形式を用いたハイブリッドなアート・オブジェを紹介する。