2018.10.27

ムンクから霧のアーティストまで。今週末に見たい3つの展覧会

今週はじまった展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介。言わずと知れた名作《叫び》が初来日するムンク展から霧のアーティスト・中谷芙二子の日本初の大規模個展まで、この機会をお見逃しなく。

「ムンク展—共鳴する魂の叫び」会場風景より
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あの《叫び》がついに来日。「ムンク展—共鳴する魂の叫び」(東京都美術館

「ムンク展—共鳴する魂の叫び」会場風景より、《叫び》(1910?)、《絶望》(1894)

 ノルウェーを代表する画家、エドヴァルド・ムンクの代表作を一堂に公開する回顧展「ムンク展—共鳴する魂の叫び」が10月27日にいよいよ開幕。2013年頃より準備が進められてきたという本展は、オスロ市立ムンク美術館が所蔵するムンク作品の油彩《自画像》(1882)、《絶望》(1893-94)などを含む、約100点(油彩は60点以上)の作品を一堂に紹介するもの。なかでも、代表作のひとつ《叫び》(1910?)は、今回が初来日となる。

 また本展は、ムンクの青年期から晩年までを通覧。幼くして肉親を失ったムンクが、第二次世界大戦のさなかに亡くなるまでどのような人生を歩んできたのか、主題ごとに紹介することで、「ムンクとはいったいどのような人物だったのか」を紐解く内容となっている。

会期:2018年10月27日〜2019年1月20日
会場:東京都美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園8-36
時間:9:30~17:30(金・11月1日・3日〜20:00) ※入室は閉室の30分前まで休室日:月、12月25日、31日、1月1日、15日 ※ただし11月26日、12月10日、24日、1月14日は開室
料金:一般 1600円 / 大学・専門学校生 1300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1000円 / 中学生以下無料

霧のアーティスト・中谷芙二子が日本初の大規模個展を開催。「霧の抵抗 中谷芙二子」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー

「霧の抵抗 中谷芙二子」会場風景より、中谷芙二子《崩壊》(2018)

 純粋な水霧を用いた環境彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなどを手がけ、「霧のアーティスト」として世界的に知られる中谷芙二子。その日本初となる大規模個展が水戸芸術館現代美術ギャラリーで10月27日にスタートする。

 アート&テクノロジー、芸術と科学の融合など、流行語のように広がるこれらの世界を当事者として見つめてきた中谷の思想が込められた作品に加え、ドキュメントを展示。時代の潮流に抵抗してきた軌跡を、時代精神とともに紹介する。

会期:2018年10月27日〜2019年1月20日
会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー、広場
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
電話番号:029-227-8111
開館時間:9:30~18:00 ※入場時間は17:30まで
休館日:月(12月24日、1月14日は開)、年末年始(12月27日〜1月3日)、12月25日、1月15日
料金:一般900円 / 高校生以下無料 ※学生および65~69歳の方は、毎月第1金曜日(11月2日、12月7日、1月4日)100円

音響を使った大規模な新作彫刻も公開。「毛利悠子 ただし抵抗はあるものとする」(十和田市現代美術館

毛利悠子 Childhood 2018 パレ・ド・トーキョー(パリ、2018)での展⽰⾵景 Courtesy Palais de Tokyo

 世界初となる美術館での個展が10月27日にスタートするのは、アーティストの毛利悠子だ。毛利はこれまでハタキ、スプーン、空き缶など、日常生活で目にするもので作品を構成し、電気、磁力、空気の動きなど、目に見えないエネルギーの存在を示してきた。

 本展で毛利は、アンモナイト、ケーブルの「より線」(複数の細い線が寄せ集まったもの)など、様々な渦や回転、あるいは螺旋運動から得たインスピレーションをもとに作品を制作。音響を使った大規模な新作彫刻のほか、映像、版画、現場で即興的に生み出されるインスタレーションにも注目だ。

会期:2018年10月27日〜2019年3月24日
会場:十和田市現代美術館
住所:青森県十和田市西二番町10-9
電話番号:0176-20-1127
開館時間:9:00〜17:00 ※最終入館は16:30まで
休館日:月(祝日の場合はその翌日、12月25日〜1月1日は年末年始休館)
料金:企画展+常設展セット券 1200円 / 企画展のみ 800円 / 高校生以下無料