武蔵野美術大学が主体となって運営するgallery αMが、ゲストキュレーターに蔵屋美香(東京国立近代美術館企画課長)を迎え、全5回にわたって展覧会「絵と、 」を開催中。五月女哲平、藤城嘘に続く第3回は、ドイツと日本を拠点に活動する村瀬恭子を紹介する。
村瀬は1963年岐阜県生まれ。86年に愛知県立芸術大学を卒業後、89年に同大学院を修了。90年から96年までドイツ・国立デュッセルドルフ芸術アカデミーに在籍し、在籍中の93年にはマイスター・シューラー(=ドイツの芸術系大学の最高学位)を取得した。
近年のおもな個展に、「Drawings」(タカ・イシイギャラリー東京、2014)、「Fluttering far away」(豊田市美術館、2010)、「セミとミミズク」(ヴァンジ彫刻庭園美術館、2007)など。そのほか、国内外の美術館で開催されたグループ展にも多数参加するなど、精力的に活動を行ってきた。その作品は、東京都現代美術館、国立国際美術館、高松市美術館、東京ステーションギャラリーなどに所蔵されている。
顔料と色鉛筆を用いて色彩を幾層に重ね、近年ではさらに花びらや雑誌の切り抜きをコラージュするなど、様々な絵画の可能性を表現し、高い評価を得てきた村瀬。本展では、描写に緻密さが増した近作を中心に展示を構成する。