東アジア、東南アジア、南アジアを対象に、1960〜90年代に発生した近代美術から現代美術への転換期に焦点を当てる初の展覧会が開かれる。
60〜90年代のアジアは、植民地支配からの独立と急速な近代化、東西冷戦によるイデオロギーの対立やベトナム戦争、 民族間の対立や民主化運動の高揚など、社会を揺るがす大きなできごとが数々起こった。
この展覧会が紹介するのは、その時代を生きたアーティストたちが、現実に向き合い「美術」を問いかけ、既存のジャンルにとどまらない表現を開拓した末に生まれた、挑戦的かつ実験的な作品の数々だ。
出品作家は、中村宏、ゼロ次元、キム・グリム、ホン・ソンダム、張照堂(チャン・チャオタン)、陳界仁(チェン・ジエレン)、王晋(ワン・ジン)、宋冬(ソン・ドン)、エレン・パウ、フロッグ・キング、FXハルソノ、ジム・スパンカット、ラジェンドラ・グール、モンティエン・ブンマー、アーティスト・フロント、ワサン・シッティケート、ホセ・テンス・ルイス、ウォン・ホイ・チョン、グラムモハメド・シェイクら90組以上。
10を超える国・地域から集まるアーティストの作品は、西洋由来の「美術」への疑問を起点としたダダ的な行為や体験型のイベントを紹介する1章、アーティストと都市の関係を紐解く2章、アーティスト・グループを紹介する3章で構成される。
絵画、彫刻、版画、写真、映像、パフォーマンス、インスタレーションといった、多種多様なアヴァンギャルド・アート約140点。国の枠組みを越えてそれらを比較することで、思いがけない響き合いを発見することができるはずだ。