福島県立美術館(福島)と信夫山
福島市の中心部に位置する信夫山は、市街地を見渡せる展望スポットとして親しまれる、緑豊かな山だ。秋には山の斜面を覆う木々が赤や黄色に色づき、散策や紅葉狩りを楽しむ人々で賑わう。その南西側の麓にあるのが、1984年に開館した福島県立美術館。福島県立図書館とともに広大な敷地に建ち、周囲の自然と調和した落ち着いた環境も魅力のひとつだ。

同館では、企画展「Ukiyo-e 猫百科 ごろごろまるまるネコづくし」(10月10日〜12月6日)を開催。浮世絵に登場する猫たちを手がかりに、その生態や歴史、人間との関係を探る展覧会だ。愛らしい猫の姿を楽しむだけでなく、浮世絵という視覚文化を通じて、人々の暮らしと猫との深いつながりを読み解くことができる。

展覧会を楽しんだ後は、信夫山へ足を延ばしてみてはいかがだろう。市街地に近い場所でありながら豊かな自然が残されており、秋の福島を感じる散策にもおすすめだ。
宇都宮美術館(栃木)とうつのみや文化の森
宇都宮市の北部に広がる「うつのみや文化の森」は、約26ヘクタールの敷地を有する緑豊かな公園だ。芝生広場や雑木林、散策路などが整備され、秋には園内の木々が色づく。自然のなかでゆったりと過ごせるこの公園の一角に建つのが、宇都宮美術館。周囲の森と調和する建築も見どころで、紅葉を眺めながら美術鑑賞を楽しめるスポットとなっている。

同館では現在、「没後50年 髙島野十郎展」(9月20日〜12月6日)が開催されている。髙島野十郎(1890〜1975)は、福岡県久留米市に生まれ、独自の写実表現を追求した洋画家。とりわけ蝋燭や月を描いた作品で知られ、静謐な画面のなかに独特の光と存在感を表現してきた。没後50年を記念する本展では、その代表作を通じて画業を振り返る。

鑑賞後には、木々に囲まれた園内を散策するのもおすすめ。絵画に描かれた光の表現を堪能した後、秋の柔らかな日差しが差し込む森を歩けば、作品とはまた異なる自然の表情に出会えるだろう。
山梨県立美術館(山梨)と芸術の森公園
山梨県甲府市にある「芸術の森公園」は、四季折々の自然と彫刻作品を楽しめる緑豊かな公園だ。約6ヘクタールの敷地には、日本庭園やバラ園、芝生広場などが広がり、秋にはイチョウやカエデなどの木々が色づく。園内にはロダンをはじめとする彫刻家の作品も設置されており、紅葉を眺めながら屋外アートを楽しめるのも魅力だ。この公園の一角に建つのが、ミレーの作品を収蔵することで知られる山梨県立美術館である。

同館では、「印象派の先駆者 ウジェーヌ・ブーダン展」(9月12日〜11月3日)を開催中。ウジェーヌ・ブーダン(1824〜1898)は、フランス・ノルマンディー地方の港町や海辺の風景を描き、若き日のクロード・モネにも影響を与えた画家だ。移ろう空や光、大気の表情をとらえた作品は、印象派の成立を考えるうえでも重要な位置を占めている。

展覧会でブーダンの描いた自然の光に触れた後は、公園を散策しながら、秋の陽光に照らされた木々の色彩を楽しんでみてはいかがだろう。



















