パナソニック汐留美術館(汐留)と浜離宮恩賜庭園
東京湾岸部の高層ビル群に囲まれた浜離宮恩賜庭園は、江戸時代の面影を残す大名庭園だ。現在も東京湾から海水を引き入れ、潮の満ち引きによって変化する情景を楽しめる「潮入の池」を有し、都心で洗練された秋の風情を味わえる紅葉の名所として知られている。

庭園から徒歩圏内にあるパナソニック汐留美術館は、ジョルジュ・ルオーのコレクションをはじめ落ち着いた空間で鑑賞を楽しめる美術館だ。同館では現在「吉田璋也のデザイン ― 新作民藝運動がめざした未来」(〜12月20日)が開催されている。

柳宗悦の思想を継承しながら独自の生活文化運動を展開した吉田璋也の足跡に光を当てる本展。伝統的な手仕事をベースに、現代の生活に調和する美しい日用品を考案した「吉田デザイン」の家具や器など、約300点の作品や資料が一堂に介している。
東京都現代美術館(清澄白河)と清澄庭園
泉水、築山、枯山水を配した「回遊式林泉庭園」として知られる清澄庭園は、新緑や桜の季節だけでなく、晩秋の紅葉も見事なスポットだ。例年11月下旬頃からモミジやイチョウが見頃を迎え、情緒あふれる日本庭園を楽しむことができる。


庭園から徒歩15分ほどの場所にある東京都現代美術館では、この時期2つの企画展が開催されている。企画展示室地下2階の「多田美波―光、凛と ゆれる」(〜12月6日)は、戦後日本の抽象彫刻・造形界を牽引した多田美波(1924〜2014)の大規模個展。初期の絵画や代表的な彫刻・照明作品約70点に加え、建築造形のパーツやスケッチなどの貴重な資料を展示。松屋サロンのシャンデリア《チェーンデリア》の原寸大復元や、光造形《瑞雲》の再構成展示も見どころだ。

いっぽう、企画展示室1、3階の「共時的星叢──時を共にした星たち 越境する芸術のまなざし」(〜12月13日)は、1930年代の台湾で結成された詩人グループ「風車詩社」を描いた映画を起点に、日本と台湾の文化交流と近代の芸術表現を振り返る企画展。台湾の美術作品約200点、資料約500点に日本の作品約100点を交え、時代を超えた表現の響き合いを多角的に描き出している。
PLAY! MUSEUM(立川)と国営昭和記念公園
都内屈指のイチョウ並木を誇る国営昭和記念公園。200メートル続く「カナール」や300メートルに及ぶ「かたらいのイチョウ並木」がつくり出す黄金色のトンネルは圧巻だ。同園では、夜の同園の魅力を伝える秋の恒例イベント「秋の夜散歩(あきのよさんぽ)」(10月29日〜11月29日)も開催される。イチョウ並木や日本庭園がライトアップされ、幻想的な秋の夜長を楽しめる。


昭和記念公園に隣接する複合施設内のPLAY! MUSEUMでは、「絵本作家 きくちちき展 いきものRhapsody」(〜12月13日)が開催中。生命の躍動感をダイナミックな筆致で描く絵本作家・きくちちきの大規模巡回展だ。総数約150点の原画が並ぶほか、高さ3メートルに及ぶ描き下ろし30点で構成された巨大な「空間絵本」が初公開されている。
また、園内の「こどもの森」では、中谷芙二子と北河原温による作品「霧の森」が展開されている。毎日10:00〜15:00(毎時00分・30分から各15分間)に発生する真っ白な霧に包まれる幻想的な体験もあわせて楽しみたい(12月〜2月は凍結防止のため休止)。



















