EXHIBITIONS

Intersection

山ノ内陽介 A two-headed venus 2023

カトウ 長い足での少しだけ長い散歩 2023

 銀座 蔦屋書店の店内中央イベントスペースで、8名の若手作家によるグループ展「Intersection」が開催される。参加アーティストは、岡田佑里奈、那須佐和子、山ノ内陽介、山中雪乃、森ゆらら、後藤夢乃、勝木杏吏、カトウ。

 岡田佑里奈は、草花や同世代の女性を被写体にした写真を転写の技法によって平面化し、現れたクラックに塗料を流し込むことで平面作品の可能性を問うてきた。那須佐和子は、古典絵画の時代と現在を対比させて、風景画と人物画を描く。山ノ内陽介は、絵画の歴史や構造そのものと向き合い、「視覚の触覚性」とも呼びうるような効果を持つ作品を展開している。

 山中雪乃は、モチーフ、写真、支持体、様々なレイヤーを通して絵画を構成し、操作と偶然から「存在」について思考する。森ゆららは、見世物小屋やサーカス、映画、ロマンス、人間、宇宙、音楽をテーマに、油画や水彩、立体作品、ZINEなどを制作してきた。

 後藤夢乃は、重厚感のあるトーンの色調で精神的な世界観を描き、層を重ねて画面に凹凸を持たせることで絵画を現実世界を近づけようと模索している。美術教育にも携わる勝木杏吏は、金属の表面を磨いた後に炙って色を付け、鉄を藍色に輝かせた「藍染シリーズ」を発表。カトウは、主に抽象的な作品を「描くこと」と「描かないこと」を考えながら制作してきた。

 本展会場には、平面作品、立体作品、インスタレーションなど約50点が集う。展示タイトル「Intersection」には、文化や人種を超えて世界中の人々が交差しあう東京・銀座において、作風もコンセプトも全く異なる作家の世界が交差し、ひとつの世界をともにつくりあげるという趣旨が込められているという。