EXHIBITIONS

Luminescence

halation no.24、410×318 mm(F6号)、Oil on acrylic panel and wooden panel

 銀座 蔦屋書店 アートウォールで、長谷川彰宏による個展 「Luminescence」が開催される。

 長谷川は1997年三重県生まれ。天台宗系の寺院に生まれ、2009年に得度し、19年には天台真盛宗総本山の西教寺にて四度加行を満行している。20年より東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻に在籍しながらアーティスト活動を続けている。

 長谷川はアクリル板を支持体として使い、そこに彩度の高い絵具を表裏に載せることで独特な色や奥行き、透明感を感じさせている。液晶画面は光の三原色を使い、それぞれの色をフィルターを通してつくり出すが、長谷川もまたこの原理を用いた絵画作品を生み出している。それらの鑑賞体験はデジタルのモニターを見る感覚に近い。

 発光という意味を持つ“Luminescence”と名付けられた本展では、光の三原色の絵具を用いてデジタルスクリーンをつくり出す「halation」シリーズの新作を展示。それらの作品群はデジタルとアナログの境界線を浮き彫りにする。

「“光”に昔から惹かれる。自分は受け取るしかできないような“光”である。自分自身は光を持っていない、それは誰かから渡されるものだ、という感覚がなぜか幼少期から強くある。“光”といってもただ明るいだけではない。暗闇も入り混じったような光。どこか自分を見透かすような、しかしじんわり暖かい光。作品を作るときも、そういう光を見たいと思って描いている。」(長谷川彰宏)