エミール･ガレ、自然への眼差し ―我が根は森の奥深くにあり―

　北澤美術館で、開館40周年を記念した特別展 「エミール･ガレ、自然への眼差し ―我が根は森の奥深くにあり―」が開催される。

　エミール・ガレは、19世紀末から20世紀初頭に活躍したフランスのガラス工芸家。草花や昆虫など自然のモチーフをデザインに取り入れ、産業革命と都市化が進行する最中における癒しと安らぎをもたらす表現を展開。1889年と1900年のパリ万国博覧会でグランプリにも輝き、「アール・ヌーヴォー」と呼ばれる時代様式に与してきた。

　本展では、ガレが座右の銘として工場の入り口に掲げていた 「我が根は森の奥深くにあり」をキーワードに、北澤美術館が所蔵するアール・ヌーヴォーの名作を通して、自然に注がれたガレの思いを探っていく。園芸愛好家で植物学者としても一家を成したガレが探求した、たんなる植物や昆虫の写しではなく生命の躍動を伝える表現の数々を堪能されたい。