ガレは日本美術のどこに惹かれたのか? 「ガレのジャポニスム展」で探る、その熱いまなざしの根源

19世紀末にヨーロッパに花開いた装飾様式「アール・ヌーヴォー」。その立役者の一人であるエミール・ガレと、ガレが日本の美術に影響を受けた痕跡をたどる展覧会「ガレのジャポニスム展」が、2018年3月31日まで長野県の北澤美術館で開催されている。

エミール・ガレ 鯉文双魚形花瓶 1879-89年

 幕末の開国とともに海を渡った浮世絵や焼きものなどの日本工芸は、ヨーロッパに強い衝撃を与え、各地で日本ブームを巻き起こした。日本の美術品・工芸作品が持つ色や構図は、印象派や世紀末の工芸改革運動「アール・ヌーヴォー」の誕生に深い影響を与えたことで知られている。

 今日「ジャポニスム」と呼ばれるこうした現象は、「アール・ヌーヴォー」の旗手、フランス北東部の都市ナンシーに生まれたガラス工芸家、エミール・ガレ(1846〜1904)の作品にも表れている。色とりどりの草花が咲き乱れ、バッタやトンボが飛び交う独特の作品世界。その背景には、日本の美学に注がれたガレの熱いまなざしがあった。

 本展では、北澤美術館創設35周年を記念し、世界屈指のガレ・コレクションのなかから、ジャポニスム関連の作品を中心に秀作100余点を一堂に展示。数々のガレ作品を通して、ガレと日本との関わりを探る。会期中一部展示替えあり。

編集部

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