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「武士の心を知る前に、人の心を知りたい」。人気作家・野口哲哉が4年ぶりの大型個展を開催

鎧姿の人物をかたどった立体などで知られる美術家・野口哲哉の個展「〜中世より愛をこめて〜 From Medieval with Love」が東京・銀座のポーラ ミュージアム アネックスで開催される。本展は、ポーラ・オルビスグループにちなんだ新作を含む約50点を紹介するもの。会期は7月13日〜9月2日。

ポーラオルビスの口紅でハートを描いている作品《Clumsy heart》(2018)

 野口哲哉は1980年香川県生まれの美術家。2003年に広島市立大学芸術学部油絵科を卒業、05年に同大学大学院にて修士号を習得した。

 これまで、東京の練馬区立美術館と京都のアサヒビール大山崎山荘美術館での個展「野口哲哉展—野口哲哉の武者分類図鑑—」(2014)のほか、ギャラリー玉英では5度の個展を開催するなど、精力的に活動している。

IRON ARMOUR-雑賀風- 2018

 「武士の心を知る前に、人の心を知りたい」という野口は、作品を通じて、中世を生き抜いた武士にも現代社会を懸命に生きる人々と同じ感情が息づいていたことを示そうと試みる。

 かたどられる人物像はどれも日常の1コマのようであり、頬杖をついたり、棒立ちのまま空を見上げたりしている。その姿には、鑑賞者の気持ちを投影させる余白をつくろうという野口の意図が伺え、不思議な佇まいと精巧な鎧兜とのコントラストは、どこか他人事とは思えぬペーソスとユーモアが同居する。

 今回開催される「〜中世より愛をこめて〜 From Medieval with Love」展は、ポーラ・オルビスグループの商品にちなんだ新作を含む約50点を紹介するもの。本展は野口にとって4年ぶりの大型個展であり、近年の野口の活動を総括する機会となるだろう。

Small sweet passion-南北朝の花- 2018
STRIPE 2018

編集部

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