心象風景を多次元的に構成。
国内外で活躍する八木夕菜が
「NOWHERE」で新作を公開

東京・銀座のポーラ ミュージアム アネックスで、国内外で活躍中の写真家・八木夕菜の個展「NOWHERE」が開催される。本展は、新作を含む約30点を展示予定。会期は6月15日〜7月8日。

八木夕菜 〈ひとつになる世界〉シリーズ Series of ”It's One World” 2018

 八木夕菜は1980年神戸市生まれのアーティスト。2004年にニューヨーク・パーソンズ美術大学建築学部を卒業後、坂茂建築設計ニューヨーク支社にて建築デザインを学び、ベルリンへ移住。10年に京都に拠点を移し、本格的にアーティストとしての活動をスタートさせると、16年には「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」にてポートフォリオ・レビューでのハッセルブラッド賞を受賞した。

八木夕菜 崩れゆく世界 ナント・サンピエール大聖堂 Nantes Cathedral - Series of Collapsing World 2016

 八木は自身の心象風景を、「写真」というメディアを用いながら建築的かつコンセプチュアルな態度で表現。詩的な感性を持ち合わせていながらも、まるで建築物を構成するかのように、写真を床置きにしたり、透明のアクリルの立体を通すなど、多次元的な視点で構成されていく。

 「NOWHERE / NOW HERE」と題された今回の個展。鑑賞者に「視る」という行為の自由さを提案する八木の作品は、「どこにもないようで、いま目の前に在る感覚」を鑑賞者に与えるだろう。

八木夕菜 祈りの手前 Just before praying 2017

編集部

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