問い直される「太陽」としての女性。笠原美智子評「『元始女性は太陽だった』のか?」展

1911年、平塚らいてうは「元始女性は太陽であった」と高らかに書き記した。2025年、その言葉の意味がいま、再び問われている。KOTARO NUKAGA Threeで開催中の「『元始女性は太陽だった』のか?」展(〜6月14日)では、異なる世代・視点を持つ3人のアーティストが、戦争と母性、制度と記憶、そして未来の身体をめぐって問いを投げかける。本稿で評論家・キュレーターとしてフェミニズム展を牽引してきた笠原美智子(長野県立美術館館長)は、展覧会の構成をたどりながら、現代日本におけるフェミニズムの現在地と、その可能性を考察する。

REVIEW

「はじめての古美術鑑賞 ―写経と墨蹟―」(根津美術館)レポート。国宝・重文の名品で学ぶ日本の書の楽しみ方

初心者に向けて古美術へのアプローチを手ほどきしてくれる根津美術館のシリーズ企画「はじめての古美術鑑賞」が始まった。今年は「写経と墨蹟」。渋いテーマながら、展示品の全件が国宝と重要文化財という贅沢なラインナップで、楽しみ方のポイントを示してくれる。※写真は美術館の許可を得て撮影しています

NEWS / REPORT

追悼 刀根康尚──大友良英による追悼文

実験的な音楽表現で知られ、音楽と美術の境界を超える活動を行ってきたアーティスト・刀根康尚が2025年5月12日に亡くなった。親交のあった音楽家・大友良英による追悼文を掲載する。

INSIGHT

PREMIUM

アフリカと日本をつなぐアートと文化の拠点。「space Un」の設立者が語るアートとコミュニティの新しいかたち

アフリカの現代アートを日本に紹介し、文化的な交流を促進する東京・南青山のアートスペース「space Un(スペース・アン)」。その設立者、エドナ・デュマとギャラリー・ディレクターの中谷尚生に、同スペースの理念や今後の展望について話を聞いた。

INTERVIEW

揺れる国際情勢下、2025年北京アートウィークが映し出す市場のリアル

関税摩擦、経済減速、地政学的緊張──不確実性が渦巻くいま、中国のアートマーケットはどこに向かうのか。5月下旬、北京では複数の大型アートイベントが同時開催された。フェアの現場とギャラリストたちの声から、アートを取り巻く構造変化と、そのなかでも生まれつつある新たな連携の兆しを読み解く。

NEWS / MARKET