本展では、作家自身がセレクトした19点のインスタレーション、彫刻、絵画が、開放的なギャラリーを満たす。すべての作品は、移動あるいは移住というテーマを宿しており、2つの巨大なインスタレーションが展示の核をなす。そこを中心に、立体と絵画の作品群が「星座を描くように」(バネルジー)に配置された。

そのひとつが、記念碑的なインスタレーション《I In an unnatural storm a world fertile, fragile and desirous, polluted with excess pollination, hungry to seize an untidy commerce also gave an unknowable size to some mongrel possessions, excreted a promiscuous heritage, sprayed her modern love, breathed deeper than any one place arching her back threw new empire, religion, bathed in unseasonable hope to alter what could not be warm(不自然な嵐の中、豊穣で、脆く、欲望に満ちた世界は、過剰な授粉に汚染され、乱雑な交易を掴み取ろうと飢え、いくつかの雑種的な所有物に計り知れない大きさを与え、無節操な遺産を排出し、彼女の現代的な愛を撒き散らし、いかなる場所よりも深く息を吸い、背を反らせて新たな帝国と宗教を放り出し、決して温まることのないものを変えようと、季節外れの希望を浴びた)》(2008)だ。

and desirous, polluted with excess pollination…》(2008) Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris Photo by Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton
本作はフォンダシオン ルイ・ヴィトンが初めて公開するコレクション作品であり、ジュール・ヴェルヌの小説『八十日間世界一周』から着想を得たもの。天井から吊り下げられたドームと、そこから降り注ぐオブジェという構造が、世界を巡る冒険のもたらす驚異と危うさを体現する。
なお、この長く、やや不自然で物語のような言葉が連なるタイトルには確固たる言語観がある。移民である彼女の母親は英語がまったく話せなかったという。英語という言語で何ができるのかを問い続けることは作家の課題であり、不完全な文法は、新しい自由のかたちを示すものなのだ。



















