2025台北ビエンナーレのテーマは「地平線上の囁き」(Whispers on the Horizon)。探究されるのは、人々とつながり、想像や変革を引き出す、人類を前進させる力としての「思慕」(yearning)である。「地平線」とは、既知の物事と希望が出会う場所であるが、そこに向かって動き続ける「思慕」は「答えを出すわけではない」とステートメントは伝える。代わりにそれは、「か弱くとも粘り強く、不可視でありながらも痛切に」「囁き続ける」のだという。
企画を手がけたのは、ベルリンのハンブルガー・バーンホフ国立現代美術館の館長を2022年より共同で務めるサム・バーダウィルとティル・フェルラス。ユニットを組んで17年という彼らは、2022年のリヨン・ビエンナーレ「脆弱のマニフェスト」展や、同年のヴェネツィア・ビエンナーレで特別表彰を受けたフランス館の企画などで知られる。現代アート作品を紹介し、美術館の可能性を追求するだけでなく、美術史の読み直しをキュレーションの中心に据える彼らがアジアで初めて手がけた当展は、台湾の複雑な歴史と社会、現状を、様々な意味で反映するものとなった。









































