尾道に佇む小さな宿。街に優しいあかりを灯す「LOG」の魅力とは【4/4ページ】

 LOGの支配人・小林紀子は、LOGをアート、建築、食、音楽など様々な分野を横断するような存在だという。良い意味で明確な定義ができないこの場所には、ビジョイによる、人々の「ヒーリング(癒し)」となるような場所であってほしいという願いが込められている。そのためには、関わる人皆で「お世話をする」ように向きあうことが必要だという。短い時間でも庭に関わるようにしているという小林の姿勢からも、その想いが感じられる。

 LOGは尾道の自然や景観に溶け込むように在ることを大事にしており、そのために起こる経年変化をポジティブに受け入れている。小林は次のように語る。「時間が経てば経つほど、LOGは魅力的な場所になっていくはず。足を運ぶたびに発見があり、街に関わる人々が喜びを感じられる、まるでランタンのあかりのような場所となることを目指していきたいです」。

 なおLOGは、今年はじめて開催された「ひろしま国際建築祭2025」の会場のひとつとなった。建築やアートで盛り上がりを見せる、ここ瀬戸内エリアの魅力を存分に感じられる場所でもあるだろう。

 穏やかに時間が流れる尾道で、日々の小さな出来事や自身の心の機微に耳を傾ける贅沢で貴重な時間を、LOGで過ごしてみてはいかがだろうか。