第1章「始動」では、テレビ放送が始まった95年当時につくられた貴重なセル画が紹介される。「セル画」とは、セルと呼ばれる透明なフィルムに絵具でキャラクターや造作物を描いたもので、目や口だけなどのパーツに分けられ、連続した滑らかな動きを表現するために使われた。本章では、アニメや特撮の資料を管理・保全することを目的に、監督・庵野秀明が設立したNPO法人「アニメ特撮アーカイブ機構」協力の下、現存する合計1万カット以上から厳選された貴重なセル画が約270点展示されている。なお本章で展覧されるほとんどのセル画は初公開となっている。


セル画は各話ごとに紹介されており、作品を追体験するように資料を見られる構成だ。会場では、セル画ならではの経年変化が見られるものも紹介されており、資料の状態や制作方法といった観点からも30年間の歴史を感じることができるだろう。

続いて第2章「鳴動」は、「音」に着目した内容となっている。『新世紀エヴァンゲリオン』は、主題歌や劇中の伴奏音楽、そして印象的なセリフ回しや居動感あふれる効果音など、細かい「音」にまで徹底的なこだわりを持って制作されている。
本章では、声優陣の貴重なオーディション音声の一部や、フィルムの設計図ともいえる画コンテ、印象的なカットと葛城ミサトのナレーションが組み合わさった予告映像の総集編が紹介されている。各話約30秒の予告からは、当時の視聴者が感じた期待感を追体験することができるだろう。



















