絵画部門を受賞したピーター・ドイグは1959年スコットランド生まれ。現代美術における絵画の一潮流「新しい具象(ニュー・フィギュラティブ・ペインティング)」の代表的な画家として知られている。「絵を描くためのインスピレーションはいつも過去の記憶のページから生まれてくる」と語るように、写真や絵はがき、映画などから得たイメージや過去の記憶をもとに豊かな色彩と独特な筆致で風景や人物を描くことからも、世界でもっとも重要な画家のひとりであると評価されている。2020年に、東京国立近代美術館において日本初の美術館個展が開催されたことは記憶に新しいだろう。

彫刻部門に選ばれたマリーナ・アブラモヴィッチは1946年セルビア(旧ユーゴスラビア)生まれ。自らの身体を使うことを主な表現手法としており、時に観客も作品の一部となるような「パフォーマンス・アート」の先駆者として世界的に知られており、《アーティスト・イン・プレゼント》をはじめとする数々の代表作で世界中の観客を魅了してきた。新潟の十日町には、宿泊できる作品《夢の家》がある。

Courtesy of the Marina Abramović Archives



















