キャリアの初期より都市風景をモノクロで撮影してきた金村修(1964〜)は、その初期作品から最新作までを展示。作家としての軌跡を見通すことができる展示構成となっている。一貫した手法を用いてモチーフ撮影をしながらも、シリーズごとに実験的な試行錯誤が見られる点に注目したい。
金村は作品を通じて自身のキャリアを振り返りつつ、次のように語る。「最近は制作で失敗することがなくなったので、あえて負荷をかけるような取り組みを行っている。映画などの創作物を見ると影響を受けるタイプなので、それが作品にも表れている」。



ニューヨークでの滞在を経て、現在は広島市内に移住した藤岡亜弥(1972〜)は、同館コレクションである「川はゆく」シリーズとあわせて、2018年より撮影し、自身のSNSで投稿し続けられた「Hiroshima Today」シリーズを展示している。
「カメラを持って街を歩くと、どうしても“ヒロシマ”の表象を追ってしまい、素直に撮影できなくなった時期がある」と作家としての苦悩を打ち明けた藤岡。80年前に起こった広島への原爆投下から地続きとなる現在において、同地の人々はどのように過ごしているのだろうか。藤岡の作品は、現代の広島を生きる人々の何気ない営みを浮かび上がらせるものとなっている。






















