本建築祭は、主に尾道エリアと福山エリアに分かれており、7つの会場を中心に8つの展示が展開されている。本稿ではエリアごとにいくつかのプログラムをピックアップして紹介する。
尾道エリア
尾道エリアの千光寺公園の側にある尾道市立美術館では、「ナイン・ヴィジョンズ|日本から世界へ 跳躍する9人の建築家」が開催されている。建築界のノーベル賞と言われている「プリツカー建築賞」だが、アメリカと並び日本人の受賞者数が世界一(2025年時点)であることをご存じだろうか。意外と知られていないこの事実をきっかけに、本展は改めてプリツカー建築賞を受賞した9名の建築家に焦点を当てるものとなる。参加作家は、丹下健三、槇文彦、安藤忠雄、SANAA(妹島和世・西沢立衛)、伊東豊雄、坂茂、磯崎新、山本理顕。

会場は2フロアで構成されており、丹下、槇、磯崎以外の建築家6名(5組)は、部屋ごとに分けられ紹介されている。模型や文献資料のほかに、写真や映像、体験プログラムなどを通して各建築家を知ることができ、同じ日本人建築家といっても、いかにそれぞれが異なるアプローチをとってきたのかが一目でわかる構成となっている。会場に掲示された建築家同士の相関図も興味深い。






















