蘭奢待の香り、どう再現した?
正倉院事務所では、宝物の素材・構造・技法を忠実に再現し、本来の姿を甦らせることを目的に、「再現模造」の製作を行っている。
会場には、《螺鈿箱》や《螺鈿紫檀五弦琵琶》など10点以上の模造が並ぶ。詳細な調査研究と見事な技によって生まれた再現模造の数々を目撃してほしい。


なお本展では、伝説の香木である「蘭奢待(らんじゃたい)」の香りも再現された。蘭奢待は全長156センチ。東南アジアに分布するジンチョウゲ科アクイラリア属の切り株などに樹脂や精油が沈着してできた香木で、いまも微かに香りを維持している。歴史的に織田信長や足利義政、明治天皇らを魅了してきたこの蘭奢待。香りの成分を分析し、聞香し、木材を観察することで実現した香りを、会場で実際に体験してほしい。


また東京会場のみの展示としては、「国家珍宝帳」全紙14メートルの原寸大再現にも注目だ。




















