「諏訪敦|きみはうつくしい」(WHAT MUSEUM)開幕レポート。新作に至る過程をたどる旅路へ【2/3ページ】

 2024年12月に母を看取った諏訪。スペース3の「横たえる」に並ぶ作品は、すべて諏訪自身の家族を描いたものだ。とくに母親を描いた作品からは、人物画と静物画の狭間での揺らぎが感じ取れるだろう。またスペース4の「語り出さないのか」では、「食物穀物起源神話」(ハイヌウェレ型神話とも呼ばれ、殺された女神の身体から作物が生まれるという神話が世界各地に見られる)に関連するモチーフとして頭蓋骨や草花のほか、豆腐、蚕などがステンレスのワゴンに並べられ、周囲の壁面にはそれを描いた絵画が並ぶ。静物=死というイメージを生へと転換させる諏訪の探究が垣間見える。

展示風景より、《mother / 23 DEC 2024 死者はいつも似ている》(2024)、《mother / 16 DEC 2024》(2024)
展示風景より
展示風景より、「語り出さないのか」
展示風景より、《家蚕図》(2025)

編集部