同ギャラリーの特徴のひとつである吹き抜けを生かした《Strata》(2025)は、500冊にもおよぶ自然環境にまつわる本と約100つの化石や鉱物で構成された、いわば時間の層だ。一番下の先カンブリア時代に始まり、一番上は現代にもっとも近く、政治や経済活動において著名な人物の書籍が積み上げられている。2つのフロアを縦断するこの層を通じて、我々に人間がどのような歴史の上に立っているのかを改めて認知することができるだろう。

写真提供=資生堂ギャラリー


ほかにも会場には数多くの作品が展示されており、その一つひとつが展覧会という大きな主題を構成する大切なピースとなっている。展示される作品が一つひとつの“個”として全体をかたちづくっており、また、その作品を素材や模様など一つひとつの“個”がかたちづくっている。展覧会全体が循環構造をなしているのが、本展の大きな特徴と言えるだろう。
なお、会場では、髙田安規子・政子による本展オリジナルのしおりが先着で配布されているほか、会期中には2人のギャラリートークも予定されているため、こちらもあわせてチェックしてほしい。




















